
不動産には、持ち主が気付いているか気付いていないかは別として、何らかの瑕疵(不具合)が潜んでいる可能性があります。
瑕疵を隠したり、伝えたりしないまま不動産売却をおこなうと、契約不適合責任を問われるおそれがあるため要注意です。
今回は契約不適合責任とはなにか、買主の権利や、インスペクションの重要性も交えながら解説します。
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契約不適合責任とはなにか

不動産売却をおこなう場合、売主がもっとも注意を払わなければならないことのひとつが契約不適合責任です。
契約不適合責任とは、不動産の売主が買主に対して負う責任であり、債務不履行により生じる責任のひとつです。
契約不適合責任を問われると、買主から損害賠償請求や契約解除を申し出られる可能性があるため、まずは契約不適合責任とはなにか概要を確認しておきましょう。
契約不適合責任の時効は引き渡し後6か月以内
契約不適合責任には、民法上の行使期限が設けられています。
買主が売主に対して契約不適合責任を追及する場合は、不動産の引き渡しから6か月以内に、不具合の内容を通知しなければなりません。
つまり、契約不適合責任の時効は6か月と言い換えることもできますが、これはあくまでも売買契約書に行使期限が記載されていない場合の期間です。
契約不適合責任の行使期限については、当事者間の合意により、6か月より短くすることも長くすることも可能であるため、契約書の内容を確認しておきましょう。
土地や建物に不具合があった場合は契約不適合責任を問われる
契約不適合責任を問われる可能性のある場面は次のとおりです。
●売却した商品に品質の不良がある
●売却した土地あるいは建物に不具合がある
●工事の契約で工事の内容に不備がある
●WEBサイトやシステムの制作の契約で、納品されたシステムに不備がある
契約不適合責任により認められる買主の権利は後述しますが、契約不適合責任が発生した場合、契約解除を申し出られる可能性もあります。
雨漏りは契約不適合責任の対象外になる場合がある
住宅の瑕疵(不具合)をイメージすると、真っ先に雨漏りが思い浮かぶ方は多いかもしれません。
しかし、雨漏りは契約不適合責任の対象外になる場合があります。
雨漏りの事実について売買契約書や重要事項説明書に明記されており、買主が納得して売買契約を締結した場合は、契約不適合に該当しません。
一方で、雨漏りの事実が売買契約書や重要事項説明書に明記されていない場合は、契約不適合責任に該当するため注意しましょう。
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契約不適合責任で認められる買主の権利とは

契約不適合責任は、原則として買主を保護するために設けられた制度であり、買主の権利が手厚く認められています。
買主の権利は厳密に言うと4つありますが、大きく分けると「請求」と「契約解除」の2種類です。
いずれも売主にとっては負担が大きい内容のため、契約不適合責任において認められる買主の権利を確認しておきましょう。
買主の権利①追完請求・損害賠償請求・代金減額請求ができる
契約不適合責任が認められた場合、買主の権利として、以下3つの請求が可能です。
●追完請求
●損害賠償請求
●代金減額請求
追完請求とは、不具合が生じている部分を修理するよう求める請求で、修理にかかる費用は売主が負担しなければなりません。
損害賠償請求とは、契約不適合責任に起因する損害が発生した場合に、これを売主に賠償するよう求める請求です。
最後に代金減額請求とは、請負代金の減額を請求する権利を指します。
ただし、代金減額請求ができるのは、買主が売主に対して修理を請求したものの、売主がその請求に応じなかった場合のみです。
買主の権利②契約解除の請求ができる
先述した3つの請求に加えて、契約解除の請求ができることも、契約不適合責任における買主の権利のひとつです。
買主の権利として認められる契約解除の内容は「催告解除」と「無催告解除」の2種類に分かれます。
催告解除とは、契約不適合責任にもとづき、買主が売主に対して追完請求をおこなったにもかかわらず、売主が応じなかった場合に執行できる契約解除の種類です。
一方の無催告解除とは「契約の前部の履行が不能である」など、いくつかの条件に該当した場合に執行できる契約解除であり、買主は売主に通告することなく契約を解除できます。
売買契約を解除された場合、買主との間で締結した不動産売買契約は無効となり、売主は買主に対して売買代金などを返還しなければなりません。
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売却前にインスペクションを実施する重要性

契約不適合責任において、買主の権利として認められる各種請求と契約解除は、いずれも売主に大きな負担を与える申し立てとなります。
そのため、売主は契約不適合責任に問われるリスクを排除して不動産売却をおこなう必要がありますが、その場合に支える役割を果たすのがインスペクションです。
ここからは、不動産売却前に売主がインスペクションを依頼するメリットを解説します。
インスペクションのメリット①不具合を見落とさずに発見できる
そもそもインスペクション(ホームインスペクション)とは、不動産売却前に、建物の劣化や欠陥の有無、修繕が必要な個所などを調べることです。
インスペクションの種類は大きく3つに分かれます。
●既存住宅現況検査(一次的インスペクション)
●既存住宅診断(二次的インスペクション)
●性能向上インスペクション
既存住宅現況検査は、目視を中心とする調査をおこなって、劣化具合を判断するインスペクションです。
既存住宅診断と性能向上インスペクションでは、破壊検査も含めたより詳しい診断がおこなわれます。
インスペクションは、専門の知識と資格を持ったインスペクターが実施するため、売却したい不動産に潜んでいる不具合を見落とさずに発見できます。
インスペクションにより不具合の有無を確認することにより、売却後に買主から契約不適合責任を問われるリスクが下がることが、売主にとっての大きなメリットです。
インスペクションを依頼するタイミングですが、不動産会社による査定を受ける前に実施するのがベストと言えるでしょう。
インスペクションの結果は不動産会社の査定担当者も注目するため、インスペクションの結果次第では、査定額が大きく上がる可能性があるためです。
インスペクションのメリット②告知義務を果たせる
2018年4月に改正された宅地建物取引業法により、売主はインスペクション実施の有無について買主に告知する義務を負うことになりました。
義務となるのはあくまでもインスペクションを実施したかどうかの報告であり、インスペクションの実施そのものが義務化されたわけではありません。
しかし、インスペクションを実行し、その結果を買主に伝えると、買主は安心して不動産の購入に踏み切れるでしょう。
また、インスペクション実施済みの物件として売却できることも売主のメリットです。
インスペクションにより不具合がないことを証明すると、買主からの注目が集まりやすくなり、スムーズかつ高値で不動産を売却できる確率が高まります。
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まとめ
契約不適合責任とは、不動産売却後に何らかの不具合が見つかった場合に、売主が負う責任のことです。
契約不適合責任における買主の権利は、損害賠償などの請求や契約解除です。
これらのリスクを避けて不動産売却をおこないたい場合は、売却前にインスペクションを実施すると良いでしょう。
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